中東の文化においてアラビア書道には単なる筆記以上の価値があります。
それは文化や歴史など、精神的にも深く根ざした芸術的表現といえるでしょう。
棒から削り出されて作られた硬い筆先で複雑な構図から太い線や細くて繊細な曲線までを表現することで、アラビア書道は何世紀にもわたって世界中の人々を魅了してきました。
机上の紙に描かれるだけでなく、カリグラフィは古くから建造物の装飾などにも使われているのです。

今回はアラビア書道の魅力を私たちなりのひとこと解説で探ってみましょう。
アラビア書道の歴史
アラビア書道の起源はアラブの歴史を深くさかのぼります。

もともとはアラビア文字としてのコミュニケーション手法のひとつで、イスラム教の経典であるクルアーン(コーラン)を広めるために書き写すことから始まりました。
しかし文字に統一性のある具体的なルールが定められておらず、地域によって点を打つ数や位置などが異なるものだったのです。

そして美しさや神聖さを兼ね備えた文字の表現方法がますます拡張されていくことになります。
イスラム文字カリグラフィ |
コーランを正確に、かつ美しく書き写すため、書道は重要な役割を果たしていったのです。
イスラム教が偶像崇拝を禁じていることもあり、文字を単なる情報伝達の手段としてだけではなく、神聖な芸術として表現するアプローチによってアラビア書道やカリグラフィが他の書体と異なる一因となったようです。
東京ジャーミイ(モスク)の礼拝堂
最も初期のアラビア書道であるクーフィー体は力強い幾何学的な形とシンプルで厳格な美しさを特長とし、コーランの初期の写本に多く使われました。
このスタイルは神聖な文字にふさわしい荘厳さを持ち、文字そのものが崇高な芸術表現として認知されるようになりました。
複数の書体スタイル
アラビア書道は独自の特徴と魅力を持ついくつかのスタイルに発展してきました。
それぞれのスタイルを理解することで、それらが表す文化的な豊かさを知ることができます。
以下の日本アラビア書道協会のサイトには主要な書体の例が挙がっています。
日本アラビア書道協会サイト「書体について」

道具と技法
アラビア書道を創作するには特定の道具と技法が必要で、各々が作品の美しさに重要な役割を果たします。
ペン(カラム): 伝統的には乾燥させた葦(あし)を削って作られたペンが使用されました。


著名な書家や経験が豊富な書家はスタイルや構図に応じて先端の形状が異なるペンを使い分けることで知られています。
この先端の形状はまるで彫刻刀のようです。

インクと紙 : インクや紙の品質が書道の結果に大きな影響を与えることがあります。
元来のインクは煤(すす)・アラビアガム(樹液)・水を混ぜて作られ、日本の習字と同様に深い黒色が紙上で美しいコントラストをもたらします。
近年は墨汁もインクとして広く使われます。

イスラム幾何学模様 |
特に重要な作品を作るために金箔をあしらうこともあり、王族や重要な文書において視覚的なインパクトを高めるために金箔も使われてきました。

アラビア書道を体験しよう
新しくアラビア書道を学ぶことはやりがいのある芸術の追求につながりそうです。
初心者を対象としたワークショップや体験教室が各地のカルチャーセンターなどが主催して開催されています。

日本アラビア書道協会では日本各地に10ヶ所以上のお稽古教室があり、定期的に指導を受けられると共に作品展なども開かれています。
アラビア書道教室案内(日本アラビア書道協会)
必要な道具は習い事としてもシンプルで、ペン、墨汁、紙があれば練習できます。
そして、以下の動画を紹介します。
日本アラビア書道協会事務局長でアラビア書道のインストラクターもされている山岡事務局長が番組内でアラビア書道についてお伝えしています。
アラビア書道体験~竹筆と墨汁で書くイスラム芸術
動画【アラビア書道体験~竹筆と墨汁で書くイスラム芸術~】
出典:豊島区公式 としま ななまるチャンネル
まとめ
アラビア文字のカリグラフィは、美しさ、文化、歴史を組み合わせた素晴らしい芸術です。
何世紀も前のコーランの写本から現代への影響まで、書道は言葉以上のものを表現でき、感情や精神性、そして何世代にもわたる伝統とのつながりを表現しています。
アーティストや言語愛好家だけでなく、新しい趣味を探している人にとってもアラビア書道は生活に新たな充実と意味を加える素晴らしい要素になりえると思っています。
今回の記事は以上です。
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