今回は、私がよく旅をするカタールやクウェートの友人宅のお話です。
現地の友人たちと過ごす時間の中で、いつも印象的なのが「お茶の時間」の風景です。
湾岸アラブでは、ゲストが来るときはもちろん、日常的な家族だけの団らんのためにも、リビングルームにはいつでもアラビックコーヒーと紅茶の保温ポットが準備されています。
日常のひとコマに、自然に“もてなし”が溶け込んでいるのです。

コーヒーと紅茶、気分や好みで”おもてなし”
友人のお姉さん宅で見せてもらったティーセットもとても素敵でした。
小さなおちょこのようなカップがアラビックコーヒー用、そして取っ手付きのカップが紅茶用。
それぞれに専用のカップがあり、使い分けられています。


家族や知人が集まるリビングで、お茶やお菓子を囲みながら過ごす時間は、湾岸アラブの暮らしに深く根付いた文化です。
食器棚にあふれる“おもてなし”の道具
湾岸アラブ地域の家庭は大家族が多く、また親戚づきあいも活発で、親戚や友人が頻繁に訪れることもあり、食器棚の中にはたくさんのポットやカップが並んでいます。


同じデザインのポットが2つあるのは、紅茶用とコーヒー用で使い分けているから。
色の統一感やデザインを揃えているため、同じ形のポットが複数あります。
家に人が集まる文化やおもてなしの心が、この食器に現れていると思います。
私自身もポットやグラスが大好きですが、日本の住まい事情を考えるとここまで揃えるのは難しく、こういうコレクションができるのが羨ましくなります。
実用性と効率を兼ねた食器収納法
さらに驚いたのは、カップやグラスの収納方法。
カップをトレイに乗せ、マルッとラップをかけて積み重ねて保管しています。

これは砂嵐が来たときにも砂まみれにならないようにするため。
リビングに運ぶのも簡単で安全ですし、ラップを外せばすぐにゲストに出せるので、機能性と実用性を兼ねた工夫ですね。
食器にもトレンドがある
中東現地ではティーセットを扱うお店も数多く、品揃えが豊富で、何年かごとで訪れるたびに新しいデザインに出会えます。
特に湾岸地域では食器にも流行がある印象で、毎回欲しくなってしまいます。

中東らしい幾何学模様が印象的なセット。


ひと昔前は、ゴールドやシルバーのギラギラした装飾が主流でした。
もちろん今でも根強い人気はありますが、近年ではシンプルで洗練されたデザインも増えてきています。



アラブの象徴、Dallah(ダッラ)
これらのアラビックコーヒーのポットは「Dallah(ダッラ)」といいます。
こちらはクウェート友人宅のもの。

シンプルでスタイリッシュでオシャレです。
以前は陶器製のポットが多く見られましたが、現在は保温性に優れた魔法瓶タイプが主流。
暮らしの道具としての機能性も進化しています。
この独特の形が本当にかわいくて、見つけるとつい写真を撮ってしまいます。
Al-Fanar の夢──Dallah を日本の暮らしへ
日本では、まだまだ Dallah や湾岸アラブのティーウェアに触れる機会は少ないかもしれません。
しかし私たちは美しいデザイン、そしてその背景にある文化を、もっと多くの人に知ってもらい、身近なものになればと考えています。
お茶の時間は、単なる飲食の時間ではありません。
湾岸アラブのティーウェアたちは、そんな時間をより美しく、心豊かにしてくれる存在。
それは人を迎え入れ、家族の絆を深め、日々の生活に彩りを添える大切な文化なのです。
Dallah は文化の象徴とも言える存在で、デザインのモチーフとしても人気があるので新商品として採用していきたいです。
「Dallah のある暮らし」が日本の暮らしにも溶け込む日を楽しみにしています。
今回のブログは以上です。
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